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3月4日例会 卓話『外から見た福井県の教育』

『外から見た福井県の教育』 牧野 行治 氏
福井県教育総合研究所 所長
(元 和歌山県教育委員会教育企画監)

福井県教育庁義務教育課長や小中学校の校長などを歴任、和歌山県教育委員会の新しいポスト「教育企画監」就任の要請を受け、丸岡中学校校長を定年退職後すぐの平成27年4月から平成30年3月末までの3年間務める。

福井大学出身なので、人生初めての県外での生活であった。

  • 和歌山県の印象

中央に険しい紀伊山地があり僻地が多い。東西に長く県庁から新宮市まで4時間かかる。福井県は小浜市まで車を飛ばせば1時間半ほどで行ってしまうので、県内のどこへ行くのでも遠い感じがする。紀北(きほく)、紀中(きちゅう)、田辺西牟婁(たなべにしむろ)、新宮東牟婁(しんぐうひがしむろ)の4地域があり、それぞれの地域の文化が違う。新宮市は材木を江戸へ運んだ港で、江戸の文化の入口としてプライドが高く、言葉も東京弁である。

  • 和歌山県の教育環境

中高一貫の私立高が5校、公立も同じく5校あり、特に私学が強い。小学校で優秀な児童は、ほぼ全員が中高一貫校へ進む。そのため、地元の普通の中学校、普通の高校の生徒たちの学力は低い傾向がある。地域の経済格差が大きな影響も及ぼしている。家庭の貧困率も高い県である。赴任当時、全国で学力最下位の県だったのである。

  • 福井県との違い

県内の移動時間が短い福井県は、情報が共有しやすい環境である。協力して米を作る文化は、協力体制ができやすい土壌ができている。個性は育たないが平均力はある。和歌山県にはすばらしい授業をする先生もいる。両県の小中校トップクラス数校を比較したら和歌山が上。両県のトップクラスの先生数人の授業を比較したら和歌山が上。でも、平均したら福井県の教育レベルは高いのである。なぜだかわからない。

  • 和歌山県の教育の改革

福井県の高卒の就職先はほとんど県内だが、和歌山県は90%が大阪に就職する。ふるさと教育に力を入れたいという知事の強い思いがある。経済力の向上から子供の教育の安定を図りたいとも思っている。教員の質を高めることも重要で、毎年25人を秋田県の学校へ派遣させた。早く教育力、学習能力を高めるには、福井県で学ぶべきことはない。福井県の地域力、親の教育への関心力、宿題を出せばほとんどの子がやってくる(和歌山は6割ぐらいしかやってこないので驚く)まじめさが、福井県の教育力を上げており、これを学んでも和歌山では活かせないと感じたからである。

<会員感想>自己アピールできる力、相手を説得させる、納得させる言葉を身に付ける力がこれから必要とおっしゃった。スマホ・SNS時代に突入した現代。言葉や文章の大事さを感じています。(文責 前川徹)

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